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牛乳市民講座 「ミルクですこやかな毎日を」
■メタボリックシンドロームと牛乳の意外な関係

日本酪農科学会(会長=金丸義敬岐阜大学教授)は2009年11月14日、東京・有楽町の朝日ホールで、「牛乳市民講座」を開催し、牛乳に関する疑問を、専門家が科学的根拠をもとにわかりやすく説明した。また、メタボリックシンドロームと牛乳との意外な関係などについても解明した。

●牛乳に関する科学的知識の発信

同会の金丸会長は、昨今の食に関する情報の氾濫について、「現在、テレビや新聞などを通じて、食に関する情報が多く発信されている。その中には有益な情報も数多くあるが、一方では、科学的根拠に基づかない間違ったものも多い。牛乳に関しても、『牛乳を飲むと、かえって骨粗しょう症になる』などといった、明らかに間違ったものもあり、多くの混乱を引き起こしている」と警鐘を鳴らし、また「牛乳市民講座」の目指す方向について触れ、「そういった中で、日本酪農科学会では、牛乳に関する科学的知識を発信すべく、一昨年から『牛乳市民講座』を各地で開催してきた。今年も全国9カ所で開催し、牛乳についての様々な疑問に答える場としたい。この講座を通して、牛乳や乳製品を正しく理解し、今後の食生活に役立てていただきたい」と挨拶した。

講座は3部構成で、第1部が基調講演、第2部がパネリスト講話、第3部がパネルディスカッション。


■基調講演【牛乳の成分と機能】:清水誠(東京大学大学院教授)

清水先生はまず、「今日は皆さんが普段、何げなく飲んでいる牛乳はどういうものか、科学的視点をまじえて説明したい。牛乳の成分、食品としての牛乳の長所、短所、牛乳を飲むことの意味は、などについて考えていきたい」と解説し、講演を進めた。

講演の要旨は以下の通り。

●牛乳の構成成分

「牛乳の成分の約88%は水で、その他に糖質(乳糖)、脂質(乳脂肪球)、タンパク質、カルシウムなどがあり、それぞれが特徴をもっている」

▽乳糖とその役割・・・「牛乳の糖質は乳糖(ラクトース)と呼ばれ、牛乳だけに含まれる。腸でガラクトースとグルコース(ブドウ糖)に分解され、どちらもエネルギー源になる」

<栄養的特性>・腸内の乳酸菌の発育を助ける=整腸作用・腸内のカルシウムの吸収を助ける
<食品学的特性>・乳糖が乳酸菌に働きかけ、ヨーグルトやチーズができる

▽乳脂肪の役割
<栄養的特性>・エネルギー源・脂肪酸・コレステロールを供給
<食品学的特性>・バター・クリームなどの原料となる ・チーズなどの風味形成に必要

清水先生は乳脂肪の話しから乳の分泌について触れ、「牛の乳腺の構造と乳の分泌を見てみると、乳腺胞でミルクが作られるのだが、その表面にある乳腺上皮細胞が『血液をミルクに変える』装置だ。まさにユニークな生命の仕組みのひとつだ」 

▽牛乳タンパク質の特徴と役割・・・「牛乳のタンパク質はその構造から腸内で分解されやすく、消化吸収が良い。また、必須アミノ酸の構成バランスが良いため、体内で効率よく利用できる」

<栄養的特性>・必須アミノ酸を多く含む・消化性が高い・カルシウム運び屋となる
<食品学的特性>・チーズやヨーグルトの素材となる・優れた加工特性

▽カルシウムの特徴・・・「牛乳コップ1杯(200ml)を飲んだ時の栄養充足率を見ると、18〜29歳の女性ではカルシウムの1日の所要量の37・8%を摂ることができる。カルシウムを多く含む食品は、サクラエビやヒジキなどもあるが、吸収率が大切だ。牛乳は40%であるのに対して、小魚は33%、野菜は19%で、その意味からも牛乳は優れた食品だ」

●食品としての牛乳の短所

《乳糖不耐症》・・・「乳糖不耐症は、日本人を含むアジア系の人種に多く見られる症状で、乳糖分解酵素が少ないために、牛乳を飲むと下痢やおなかがゴロゴロするといった症状が出る。これについては、▽少量に分けて飲む、▽温めて飲む、▽乳糖を少量にした牛乳を飲む、▽ヨーグルトやチーズを食べる、 ▽できるだけ、毎日牛乳を飲む(牛乳を飲む習慣をつける)、といった対策が有効だ」

《牛乳アレルギー》・・・「牛乳アレルギーには、牛乳飲用によって起こる、アトピー性皮膚炎、腸炎、下痢、喘息などがある。これら牛乳アレルギーは乳幼児に多いが、成長するにしたがって少なくなる傾向がある」

●食品としての牛乳の長所

「食品としての牛乳の長所は、▽栄養素が豊富に含まれている、▽吸収されやすい仕組みを持つ、▽生体調節機能を持つ成分が含まれる、などが挙げられる。例として、機能性タンパク質で、抗菌・免疫作用を持つ『ラクトフェリン』、骨形成を助ける『シスタチン』などが挙げられる。また、血圧を下げる『ペプチド』もある。このように牛乳には栄養素だけではなく、血圧降下、骨形成、血清コレステロール低下、整腸作用、免疫調節など、様々な生理機能性成分が含まれることがわかってきた」 

●牛乳の飲用とメタボリック症候群(シンドローム)  

「最近はメタボリックシンドロームが社会的な話題になっていて、牛乳をたくさん飲むと、太る、コレステロールが上がる、またメタボになると言われている。果たしてそうか、見てみたい。女子栄養大学の上西先生が学生と中年女性を被験者にして調査したデータがある。『1日何回牛乳・乳製品を摂取するかでグループ分け』をして調査したところ、牛乳を飲んでいるグループでは、▽腹部脂肪率はむしろ下がる、▽血圧に関しては、学生では少し下がる、▽善玉コレスレロールは学生グループで上がる、といった結果が出た」

●まとめ

清水先生は、【食品としての牛乳・乳製品の考え方】のまとめとして、「牛乳は全世代への栄養素の補給に適した『安全な食品』、『美味しい食品』と位置づけるべきだ」と結論づけた。 

メタボリックシンドロームとは?

ここ数年間でよく耳にするようになった「メタボリックシンドローム」。その基準は、内臓の周囲に脂肪がたまった内臓脂肪型肥満に加え、高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上を併せもった状態を指します。たとえひとつひとつは軽度でも、これが複数重なることによって動脈硬化を引き起こし、日本人の3大死因を占める「心疾患」、「脳血管疾患」といった命にかかわる病気の危険度が急激に高まります。内臓脂肪は、高血糖、高血圧、脂質異常の基盤になっているものです。薬を服用することでそのうちひとつの疾患を改善したからといって、ほかの疾患は改善されません。重要なのは、内蔵脂肪の蓄積を減らしていくことなのです。

社団法人 日本酪農乳業協会(Jミルク)ホームページの紹介


社団法人 日本酪農乳業協会(Jミルク)ホームページの記載ページにリンク

・食育の役割と牛乳摂取の意義(メディアミルクセミナー)

・食育の役割と牛乳摂取の意義(ほわいと)

・メタボリックにさようなら

・メタボ予防と肥満防止

・あなたの「活力年齢」は?

・高血圧とメタボリックシンドローム

・太らない牛乳で適正体重維持を!

・牛乳を飲むと太る?太らない?